ピアノのベスト観照ポイント

ピアノのベスト観照ポイント

ピアノの演奏を収録するときのベストポイントはどこだとお思いでしょうか?

少なくても一階観客席ではありません。

もしも、録音技師がとりたがる音を聴いてみたいとお思いの方は、みなとみらいホール(大ホール)の三階席の左側か右側から聴いてみることをお勧めします。

コンサートホールでのピアノ演奏を、ベストな位置で収録するときには、マイクをこの位の高さで中央位置にセッティングします。

マイクの位置決めは録音責任者をバトンで釣り上げて行い……ません。

マイクで収録した音声を確認して三点(二点)吊りマイクを上げ下げして調整します。

つまり、誰も直接聞いていないのです。

みなとみらいホールではこの音を聞けるんです。

そして、このことはあまり知られていないのです。

 

なぜか?

 

 スタジオ録音ではコンサートホールとは違い制約だらけなので別のやむなく手法でとります。

コンサートホールでのリサイタルでも、この吊りマイクでとることは少ないです。

本番で観客席が騒がしいことが可能性として見込まれるからです。

せいぜいコンサートホールを借り切って観客なしで録音するときぐらいしか使いません。

そして、通常ピアノではそこまでしません(特に日本では)。

スタジオで十分だと思われているからです。

つまり、事情通が少ないのです。

ぜひ、お試しあれ

 

 

もう少しピアノ単体での収録に関しての実情をお話しします。

 

ピアノという楽器は、楽器の構造上からみてのベストな収録・観照ポイントはありません。

逆にどこでもそこそこだったりします。

特にライブで生音をそのまま耳で聞く場合はあまり気にならないポイントでも、収録してそれをスピーカーなり、ヘッドホンで再生すると大きな失敗に気が付いてしまいます。

生音でOKだった位置でもマイクを通して聞くと「とても聴けたものではない」ことになってしまうのです。

それは、生音ではフィルタリング(取捨選択)できていたものがスピーカーではできなくなるからです。

さらに、マイク一本のモノラル録音では問題にならないことが、マイクを2本以上使った録音の場合さらに顕著になります。
これは収録時の問題で最終的にモノラルにまとめても一緒です。

これらは、そもそもまともでない構造のために、どこで収録してもどこかしら物理的なうねりが発生してしうことが原因です。

この問題はどちらかというと、生音ではその時の本人のみの事柄なので「仕方がない」と許容されるものが、様々な人に繰り返し聴かれることになる収録では「妥協してよいのか?」と無慈悲に突き付けられるからです。

で、試行錯誤した結果は、私見では上下はホールの天地の3分の2くらいの天井寄り。前後は大屋根を外しての演奏は真上、床への反射音を拾う場合は反射音が届く程度に会場寄り、大屋根を突上げ棒を使った半開時は弦が見える程度に会場寄り、(ソロでは少ないが)大屋根を閉じての演奏は床上2メートル位の適当な位置がベストセッティングになります。
マイクのセッティングはもちろんプレッシャーゾーン(PZM)かXYステレオ方式です。※1

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実際にこの位置で収録され販売されているのはヨーロッパのレーベルが多いでしょう。

日本ではあまりこの位置での収録はあまり選択されません。

これは環境の違いというか、育ちの違いによると思われるのでちょっと悲しいです。

この位置で収録した音声を気持ちよく聴ける環境、すなわち再生環境が日本では少ないためだと思われるのです。

だだっ広いところ、たとえば体育館でもいいのですが、こういうところで大音量で聞くとこの収録の差ははっきりと出ます。
バランス云々ではなく、すごく気持ちのいい音が再生されます。

日本で聞く場合はヘッドホンがよいでしょう。特にコンデンサータイプはご機嫌です。

 

そして、90数パーセントを占める地べたからの収録の場合ですが、ここではオンマイク派とオフマイク派と両者引き分けではないでしょうか?

ここでは「手持ちのものを使うしかない」か「我が道を行く」的にマイクの位置が決められます。

どうせ標準がないのと、聞いてもはっきり断言できないのでどこでもありです。

これでは身もふたもないので一点補足情報です。

観客が通常聞いている音声はピアノ本体だけの音だけではありません。

収録目的がライブ収録の場合観客と同じ音声のほうが再現性が高い、良い収録だと思いますよね?

そうであれば床からの音声を考慮した収録しているかどうかがポイントになります。

床からはとても豊かな音が出ているので、これを無視して捨ててしまうセッティングが多いのは残念しきりです。
確かに音が濁りやすいので自身がないと逆効果なので難しいところです。

それでもピアノの造詣が深い録音技師は念のため3本立てて置きたいところでしょう。

あるいはオフマイクで弦と、大屋根(あれば)と床からの3点を考慮した方向にマイクを向けています。

 

収録に関してはこの辺にして、観照ポイント。

ステージが高いホールでは前列は最低です。

決して好んで選択するのはやめましょう。

奏者の運指も見えないし、届く音声が床からの豊な、というか床とピアノ下面だけからの豊を通り越して癖のある音だけが大音量で響きます。

これがバイオリンとか他の楽器とのアンサンブルの場合バランスからないからすべて台無しです。

此処で聞いた場合はレビューを語っては奏者に失礼にあたるぐらいひどいです。

最前列以外は、もうホールの特性によるところ大なので何処とは言えません。

でも、強いて言うとやはり二階席がよいと思います。

二階席だと、音量や迫力が足りなくてと思う方、

二階席でも心地よく聞けるための儀式を次回紹介します。

もちろん二階席に限ったわけではありません。

では。

 

 

 

※1

PZMはアンプで有名なAMCRONのマイクです。
XYステレオ方式の解説は以下のリンクをご参照ください。

<iframe src=”http://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?lt1=_blank&bc1=FFFFFF&IS2=1&npa=1&bg1=FFFFFF&fc1=000000&lc1=0000FF&t=superjetter07-22&o=9&p=8&l=as4&m=amazon&f=ifr&ref=ss_til&asins=B001TDSQ8A” style=”width:120px;height:240px;” scrolling=”no” marginwidth=”0″ marginheight=”0″ frameborder=”0″></iframe>

※2
もちろんジャズやロックはなんでもありなのでそれでいいです、ぎりぎりまで弦に近づけても平気なことをうたい文句にしている専用マイクがあるぐらいです。

 

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