公演タイトル | 浜離宮朝日ホール デビュー・リサイタル |
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公演日時 | 2019年4月7日(Sun)開演14時~ |
会場 | 浜離宮朝日ホール |
出演 | 紀平凱成 |
演目 | 1st part
2stpart
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追記:
TRY#トライ!わたしたちはきっとできる~夢と希望のコンサート2019.6.8(土)開演:11:30~ (開場 11:00~)東京キリストの教会 (東京都)
出演紀平凱成・伊東えり・金田暢彦・内御堂真・則岡徹・川島佑介・西川てるまさ・すずかけ合唱団・ソプラノ♪ボーイズ・塚本千代・プレミアケアダンスチーム等
紀平凱成の 「浜離宮朝日ホール デビュー・リサイタル」 のレビューです。
笑福亭 鶴瓶さんから祝花が届いていました。
惜しむらくは緊張気味で、特に前半は本来の実力を発揮できてはいなかったと思います。
でも2部のウインズ・センド・ラブと変奏曲は素晴らしく、生で聴けたので十二分に満足しました。
この価格であれば一曲でも当たりに遭遇できればラッキーと思えます。波のある天才・異才に属すると思うので是非ともこの価格帯を維持してほしいと思います。
超絶的な演奏は正確さを確保しないといけないのでもろ刃の剣のように思えました。彼の才能自体は超絶ではなくその中に見え隠れするなにかだと思うのです※。
彼の取り巻きには、才能維持ができ、継続ができるような工夫をしてほしいと思いました。
録画されていたのでyoutubeとかで観れるようになるかもしれません。
当サイトのような素人レビュアーでありがちなのが「1曲目2曲目はいまいちノリが悪かったのですが徐々に本領を発揮してきました」みたいな。この印象は、ホールとアーティスト、選曲などの組み合わせによっても変わってきてしまうと思いますが、一番の理由は、前座のないクラシックの場合しばらく環境慣れするための時間が必要だということだからと思います。弾く側にも、聴く側にも残念な時間帯です。最初の数曲はやっぱり観客への整音のために使われるとお互い幸せになれると思いました。
幕間に調律(整音)していましたが時すでに遅しだと思います。
例えば本日の一曲目は、曲調は穏やかなのですが、音量豊か、残響も豊か、音数多し、プラス少しのミス。
一見良さそうな展開のようですがある意味観衆の集中力は失われてしまい、冒頭からのめりこめるような状態とは真逆になることもあります。
なんとくなく悪くはなさそうなんだけど、良さも見えにくかったりすると思うのです。
ここに、一発目からかまそうと思い入れたっぷりの楽曲を持ち込んでもその思いは玉砕してしまうと思います。「鐘」に合わせたような整音は、聴く側の準備も出来ていない中、演奏的にも少しの乱れも許してくれないでしょう。
音響豊かなホールよりこの間の横浜の野外とか、あまり環境の良くないところでの演奏のほうが「紀平凱成」にはあっているのではないかなあと思いました。
(失礼ですが)「決められた時刻に望まれた結果を確実に披露する」ことを無理に望んではいけないと思いました。自分も観に行っておいてなんですが温かく見守ってやることのほうが彼の才能を生かせるのではないかと思いました。こんな修行を無理に積む必要はなく、かえって才能をスポイルしてしまうのではないかと心配になってしまいました。
浜離宮朝日ホールの音響はあまり好きではありません。
自分の評価はマイナスですが、ホールの良しあしは自分が聴くアーティストとの組み合わせで決まるというだけで、一般的には良いホールかもしれません。
「浜離宮朝日ホール(音楽ホール)は、世界で最も響きが美しいとの高い評価を得たシューボックス型(靴箱のような立方体)の室内楽ホールです」と紹介されていますが、実際に物理的に優れたホールとして世界ベスト9にランクされたことがある室内楽ホールとしては唯一のホールのようです。
残響が1.7秒ぐらいのシューボックス型の本ホールは設計者の要望が「ピアノが美しく響くこと」「音を浴びるように聴けること」で施工が竹中工務店なので、まさしく要望どおりといえると思います。
確かに豊かに聞こえるのですが中央席で聞くとピアノの音は原音のコンマ3秒ぐらい後に反響分で音量が明確に上がり自信のないような発音でテンション下がり目の情けない音になります。これを良しとするかですね。(紀尾井ホールはさほど目立ちません)
綺麗に響く両脇でのんびり聞くのに適したホールのように思っています。
問題は音の専門家がじっくりと判断していることで、十二分に補正されてしまった後の耳(脳)で判断していることによります。そしてその辺の通行人に聞かせての第一印象を参考にするなんてことをするわけもなく、(その権威を誇示するために)逆に軽視しているということだったりすると思うのです。クラシックを聴きに来る観客の耳はまさしく「その辺の通行人の耳」です。素人なので最初から補正などしてくれるわけもなくホールの特性をもろに聴かされます。しばらくは。だから開場から開演までの30分に新人にでも前座で垂れ流しをしてほしいと切に思います。
「紀平凱成」の音は残響に紛れてはいけなくすべての音がくっきりと観客の耳に届くほうが効果が高いと思います。例えば「竹内まりあ」の楽曲は、鳴っている音すべてが聞き取れます。これは楽曲に対して思い入れがあり一音一音に自分で納得のいくまでこだわりぬいた証だったりして、たとえアクの強さを感じたとしても許容されてしまうほどの出来栄えに仕上がっています。
「紀平凱成」さんは出来栄えのムラやミスタッチとかがセットのアーティストだと思うのでなおさらそのすべてを含めて聴こえたほうがいいと思いました。
難曲とか超絶とかではなく、
坪井さんと同じくハートウォームな楽曲をたくさん世に出してほしいと思っています。
あるいは、もはやクラシックの枠を超えているので、
音の波の中で適当なところで飛び込み参加するようなジャムセッションとかで本領発揮できるように思いました。
とにかくチケットゲットも難しい発展途中のアーティストを聴く機会を持ててラッキーでした。
今回は靴箱に押し込められたコンバースみたいな感じで居心地悪そうでしたが、次回は脱ぎ散らかした感じのを聞ければ!と期待しています。
世界征服まじかのゴジラ(上原ひろみ)に対し、ミニラみたいな感じになれるといいですね。
※クラシックの世界では、ミスタッチOKであればプロに限らずそれこそ誰だってこの程度の曲を弾けてしまうらしいです。