FAZIOLIの特長とその録音

NHk BSプレミアム「クラシック倶楽部」反田恭平 オール・ショパン・プログラム

NHk BSプレミアム「クラシック倶楽部」で2016年3月1日に放映された「反田恭平 オール・ショパン・プログラム」をお聴きになった方も多いと思います。

FAZIOLIのF308で、今年1月に立川市のCHABOHIBA HALL(チャボヒバホール)で収録されたものです。

FAZIOLIの良さが分からない

そのオール・ショパン、演奏はさておき肝心な音色はというと…

FAZIOLI本来の音色を知らない人には、このピアノの良さは、伝わらなかったことでしょう。
というか、ピアノ自体に気が向かなかったのではないでしょうか。

このFAZIOLIの楽器、微妙に不遇な感じがしてきました。

鳴り物入りの割に、視聴者にはどこがどういいのか伝わってないのではないでしょうか

要因の一つに、アルバムに使用楽器が記載されないということ

例えばこの牛牛のアルバムですが

牛牛の並外れた才能は認めるにしても、アルバムの批評がほとんどこのFAZIOLIという楽器の特長に尽きているような感じなのです。
評論家様にしても一般レビュアーにしても、まさかそんな変わった楽器を使用しているとは思っておらず、聴きなれた愛聴盤なり、リサイタルとかで聴きなれたスタインウェイと比べて、彼の演奏を批評してしまっているような感じなのです。
やれ明るいだの、くせがないだの、音がきれいだの、歴史がないだの…

言い得て妙なのですが、さすがとほめるべきか、何を聴いているのかと責めるべき場面なのか?
クレジットにしっかりと「使用楽器:明るくて、くせもない、次世代な楽器FAZIOLI」とかかかれていたら評価やその後の展開はかわったものになるかと。

FAZIOLIの特長

FAZIOLIの特長はきっとこんな感じです(厳密には全然違ってきっとおしかりを受けそうな気がします)。

  • くせがない
    楽譜の再現者ではなくアーティストに好かれる所以です。
    くせがないので作りたい音が出せるからです。
    残念なことにその結果原音ではなく加工された音や工夫された音が出回ってしまっていてFAZIOLIの音なのか加工した音なのかの区別がつきにくい傾向があります。
  • 雑音が少ない
    位相的な面からも単純に雑音面からも影響が少なく、澄んだ音が出ているように思います。
    その結果は、いいことばかりではありません。
    多分位相的に特性がすぐれているので、その音は遠くまで届くと思われます。
    ところが、作りが良すぎて、打鍵の強弱での音色変化が少ないように思います。
    演奏的には打鍵で強弱に合わせて音量が増減しているのですが、聴くほうがフラット化してしまったり、それを音の強弱とはとらえてもらえなかったりするのです。結果レンジが狭いとか言われてしまうことになります。
    この特徴は、あまり技術的にうまくないジャズやポップス系のアーティストにとっては歓迎されることでしょう。
    また均一な演奏が求められるような楽曲にも向いている事でしょう(アンジェラヒューイット+バッハハとか)。
    反面楽器のくせに頼っていた音楽表現という技が使いにくくなってきます。演奏者の自力が見え隠れしてきてしまいますね。
  • 弱音の美しさ
    例えば、反田氏の引いたCD75の弱音は、聴く側の集中力が要求されたりするのですが、こちらはそんな堅苦しさのない美しさ、みたいな感じです。要は音色もさることながら雑音が少ないということですが。
  • 弦が新しい
    フォークギターや、エレクトリックベースの弦でお馴染みのラウンド弦とフラット弦の違い程の差があったりします(もちろん減だけではなく関連素材の違いだとおもいます)。
    このことは音色の違いだけでなく減衰に大きく差が出てきます。響きが豊かに聞こえるということです。
  • 録音が分かりやすい
    同じく位相と雑音の関係だと思うのですが、録音を聴いてその立ち位置や間隔などが分かりや水と思います。
    間隔をあけ気味の場合は左側に高音が定位し、近接している場合は左右ではなく一点からの発音に近づいてきて、さらに距離の遠近でまた違った定位を見せてくれています。
    他の楽器で同じことが出来ないというわけではないのですがFAZIOLIなら思い通りなセットアップがきっと簡単にできると思います。
    そんななか先の反田氏の録音は、どこをどうやればこうなるのか? なのか、さすがNHKなのかの区別がつきにくいです。このプログラムはNS4Kで再放送されるようです。
    2019年7月1日(月) 17:45~18:402019年7月8日(月)  8:00~ 8:45で、録音のお勧め的には、AB式、ORTF,NOSではなくXYかPZのほうがお勧めです。
    誰かのアルバムでステレオ感たっぷりに左右に広がったピアノの序奏が始まり、盛り上がったところでこじんまりしたオーケストラが割り込んでくる録音がありました。どんだけでかいピアノなんだか
    あと、逆説的ですが、くせがある箇所を見つけての味付けが必要になってくると思います。
    ピアノの良さを録音するのではなく演奏者を引き立たせるようにポジション決めないと没個性な録音になりがちな気がします。

 

ということで、後はご自身で聴き比べてみてください。

 

FAZIOLIのアルバムも着々と増えてきました。
アマゾンアンリミテッドで聴けるFAZIOLIはこちら

反田氏のyoutubeはこちら

イープラス presents STAND UP! CLASSIC FESTIVAL 2019

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