※視聴の間違いだろううとお思いでしょうがここでは本来の目的とは異なるものを聴くので試聴といってます。
※2016年の記事ですので情報が古くてもご容赦下さい。
素人に立ちはだかる壁
私のようにクラシックに造詣が深いわけではなく単に曲が好きだからとか、バイオリンやチェロ、ピアノの音色が好きだから程度のにわかクラシックファンには、演奏者やクラシック音楽通の方々に比べて、クラシックのコンサートに出向くことということに関していくつかの関門があります。
まずは、演者に対しての知識不足なこと。
プロフィールで得る知識にしても、師事した音楽家やコンクールの権威や受賞歴にしてもなんとなくの権威づけであれこそ、それでどのようなレベルで演奏を聞かせてくれるのかは想像できません。
数枚のCDや数回のコンサートで知りえた情報でも太刀打ちできません。
そもそも楽曲への理解が乏しいのです。
単純に耳に心地いいだけでは、演奏者も音楽痛の方々は満足しません。
作曲者の意図をどのように解釈して、それをどのようなアプローチで取り組んで・・とか何やら難解なのです。
実際に演奏を聴いているときにも、その演奏が作曲者視線で上出来なのか逸脱しているのかを知らないと、無条件に演奏に感動したからと言って「ブラボー」とは言えないかもしれないのです。
そして理解が乏しいのならまだしも演目の、その楽曲を知らないこともあります。
まず曲名を聞いてもピンとこない事です。
そして、―これが本題ですが― チラシの演目から曲目を特定できないことがあることです。
チラシに書かれた日本語の演目タイトルから、いざCDやネットミュージックを購入なり試聴(視聴)しようと思ってキーワード検索しても、曲目がヒットしないことがあるのです。
それもそのはず、その公演タイトルは正式な曲名でも俗称でもなく、今回の公演のためにつけられたユニークなタイトルだったりすることもあるようなのです。
そんなことはもちろん素人にはわかるすべもなく…
愚痴はともかく、購入したクラシックコンサートの演目への理解を深めるべく、その演目の正式な曲名を調べ、曲目の情報を入手し、そして(あわよくば本人の)演奏を全曲、せめてイントロ(冒頭)だけでも事前に視聴(試聴)し、て本番に臨むための、一番簡単で最適な手段を調べてみました。
クラシックコンサートの演目を事前に試聴する
クラシック音楽は演目の呼び名が複数あり演目と実際の曲名とがマッチしない
通常?の歌謡曲とかポピュラーソングでは、曲名を知らないことはそんなには問題になりません。
ところがクラシックでは少し様相が違います。
クラシック部門の現代曲とかはさておき、通常?のクラシックの楽曲は、すでに既出のものがほとんどで知っていて当然といわれかねないことです。
ある楽曲を知らないということは、そのまんまクラシック界での無知・常識のなさを表しているようなものです。
実際にはそこまでのことはないにしても、素人から見たらそう見えるのです。
それに加えて、先の同じ曲に対しての複数の呼び方があることがさらに混乱を呼びます。
映画の世界では邦題を重視して原題で呼ぶことは少ないのに対し、クラシック界ではそうではありません。
そもそもクラシックを学ぶ方々は言語堪能というか万国共通語で語るというか・・・
そもそも素人はただでさえ知っている曲数が少ないのに、さらにその曲名と曲がマッチしないことがあるためますます曲目から曲を思い起こせずに、せっかくの知識を無駄にしてしまっています。
もちろん慣れ親しんだスタンダードな曲名もありますが、交響曲第3番とか言われたってピンときません。
「三つの間奏曲」が誰で「三つの前奏曲」が誰かはなかなか覚えられません。
ちなみに正解はこちらで(2千曲以上リストされています)⇒ クラシック音楽の曲名一覧
俗称でも同じことが言えます「運命」は交響曲第5番 (ベートーヴェン)の俗称ですが、これが「運力」とか
「青管」「青ダニ」とか言われてもちんぷんかんぷんです。
ちなみに正解はこちらで⇒ クラシック音楽の俗称一覧
なぜ、先ほどから曲名にこだわっているかというと、その曲名からCDの購入や音楽配信サービスなどでその楽曲を聴きたいからにほかなりません。
曲名から曲を検索できない
別に曲名なんてどうでも良いでしょう?とお思いのことでしょうが、実はそれだけではなく、さらに厳しい現実が待ち受けているのです。
その曲名から、事前にyoutubeなどで動画を見たり、オンラインサービスで視聴したり購入したりすることも、一筋縄でいかないことがあるのです。
例えば、10月に来演予定のムターのチケットを購入したのですが、その公演プログラムの演目をネットから入手しました。
- プレヴィン: 2つのクァルテットとコントラバスのためのノネット
- J. S. バッハ: 2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043
- ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集『四季』 op. 8
そこで、最初の曲を知らないので予習をしておこうと思い立ったがのですが!
このまま「プレヴィン: 2つのクァルテットとコントラバスのためのノネット」でいろいろな検索サービスで検索したのですがうまくヒットしません。
(検索の手段は後程改めて紹介します)
次なる手段として余計なワードを外していくのですが、ノネットの意味が九重奏ということにたどり着くのも大変です。
「ノネット」だけでは上位に出てこないので、それではとばかりに知っている単語を添えて検索してみます。
「ノネット ソネット」・・・出てきません。
結局ラテン語だということに気がつくまでに余計な時間を使ってしまいました。
デュオ、トリオ、カルテット、クインテット、セクステット、セプテット、オクテット、ノネット、デクテット
そして曲目名に9重奏とあるのではなく、たまたま今回の演奏が9人で行われるというだけのことに帰結するための確証も入手できません。
どうやら今回のプログラムの演者が9人いるから、たまたまノネットなのだろうと検索ワードから外してみます。
しかし「プレヴィン: 2つのクァルテットとコントラバス」で検索してもヒットしません。
そして、この後もいろいろ格闘するのですが、
なんと結局曲を特定することができないままです。
なので、この曲は現在試聴できていません。
本来ならば、チラシで英文の曲目を確認したり、アーチストや主催者のホームページとかで簡単に確認出来そうなものなのですが、今回は時期が早いのか、現状でその情報を得ることができていません。
今回はこのまま、別のコンサートに出向いた時に、チラシを入手して確認するまでは、闇のかなた、です。
なかなかのストレスです。
曲を知っていれば曲名はわかる?
話はそれますが、曲自体は知っていて、自らハミングすることができたらどうでしょう。
その場合はこんな鼻歌検索サービスを使えるでしょう ⇒ midomi.co.jp
予習する
ともかく、正式な曲名を調べ、曲名がわかったら次は実際に視聴したり購入したりするために、具体的にその曲を特定すべく探し当てます。
知らないクラシック音楽の曲名を調べる
検索といえばヤフー検索やグーグル検索が最初に思い浮かぶことでしょう。
あるいはHMVやアマゾンなどのオンラインミュージックショップなど自身が日ごろ使っているサービスや購入しているショップなどで探してみることでしょう。
しかし、一番のおすすめは、ナクソスミュージックライブラリーというサービスを利用することです。
ナクソスでは無料会員という区分はなく有料会員のみのサービスのようですが、販促のためもあり、15分間のリミット内ですべての楽曲の冒頭30秒間を試聴することができるのです。
そして秀逸なのはその検索精度です。
ほぼクラシック専門なので無関係のデータが表示されることもないし、検索しやすいような工夫がされています。そしてその検索された楽曲は、会員の場合は余計な追加料金なくすべて試聴できることが保証されていることです(非会員の場合は冒頭部分の試聴)。
そして同じ楽曲でたくさんのアーチストのアルバムが提供されているのでアーチストによる違いを確認することも可能ですし、その演者の演奏が登録されている確率も高めだと思います。
例えばバッハの無伴奏チェロ組曲BWV1007とかですと300曲以上の中から聞き比べることができます。(参考までに、amazon Primeも300曲ありました。)
例えば5月29日の庄司紗矢香 無伴奏ヴァイオリン・リサイタルでの演目の「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004 」は実際に庄司紗矢香産の演奏を視聴することができます。
月額当たりの利用料が高いのですが、いったん会員になってしまえば、そのストレスの無さは小気味の良いものでした(事情あって解約してしまいましたが・・・)。
有料会員の場合は、検索した結果を自分専用のライブラリーに登録でき、即座に聞き直すことが可能です。
さらに、検索結果のアルバム単位で登録されているレビューの評価も他のサービスよりも専門性が高いように感じられることも、きっと役立つことでしょう。
そんなこんなで一度ナクソスで検索してみることをお勧めします。
(右上のフォームで検索できます。)
さてナクソスの場合は検索からそのまま試聴ができるのですが、ヤフー検索などの場合は改めて配信サービスへアクセスが必要です。
次にコンサートで演奏される演目が正しく楽曲にマッチングしたところで、その楽曲を試聴してみます。
といってもいきなりのCD購入は、私の場合は思い起こすと、後悔しきりだったりします。
高値で買ってしまったり、とても詰まらなかったり…
無駄な出費を抑えるためにも、取り急ぎ追加資金が不要なサービスを利用することから始めましょう。
現在様々な形で楽曲を入手や試聴できる手段が用意されています。
改めて有料・無料で視聴できるサービスをまとめてみました。
有料音楽配信サービス
まずは世の音楽配信サービスを調べてみましょう。
といっても、トレンド総研さんのデータを参考にさせていただきました。
ざっとまとめると
- AppleMusic
- AWA
- LINE Music
- Google Play Music
- Prime Music
残念ながらAWAはジャンルや気分に合わせた楽曲を一方的に配信するサービスなので、今回の、特定の楽曲を聞きたいという趣旨にはそぐわないので除外すべきでしょう。
そして、このレポートは5社のみで調べたデータなので、もう少しすそ野を広げて調べましょう(同じく他力本願)。
これらをまとめると
月額約千円のサービス | |
---|---|
安価だけど一方的なサービス | |
高価だけど豊富な機能 |
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安価だけど品薄なサービス | |
未公開サービス |
きっと上記以外にも新しいサービスがあることでしょう。
有料の定額制音楽配信サービスを利用している方はそのサービス内に目的の曲がないかを調べ、もしもなかったら別のサービスで目当ての楽曲を探すことになります。
そして残念ながら利用しているサービスの中では目当ての曲が見つからなかったり、そもそも定額制の有料サービスを利用していない方は、せめて冒頭の部分だけでも試聴すべく次の無料の音楽配信サービスで、目当ての曲を探します。
無料の音楽配信サービス
無料でイントロ(冒頭の30秒間など)が聴けるサービス
アルバムや楽曲を販売しているサイトの試聴サービスなどでおなじみですね。
ただし、販売時期やレーベルやアーチストにより、必ず試聴できるとは限らないようです。
- ナクソス(おすすめ)
- Itunes
- Amazon
- HMV
- タワレコ
- TUTAYA
- その他多数
無料で楽曲丸ごと聴けるサービス その1
無料で丸ごと聞けてしまう代表的なものは、ご存じyoutubeがありますね。
事前に広告が流れたり、音質が少々悪くてもあくまで試聴目的なら問題ありません。
どんどん活用しましょう。
無料で楽曲丸ごと聴けるサービス その2
その2ではもう少し音質重視と、実際に販売されているCDを視聴できる方法を紹介します。
そんなうまい話はないかとお思いのことでしょう?
実は、そんなうまい話があるのです。
ただしそれは選ばれた人のみですが・・・
それはナクソスの図書館向け、教育機関向けのサービスを利用することです。
この恩恵を享受できるのはナクソスと契約を凍結している大学関係者や図書館の利用者となります。
例えば東京都ではつぎの図書館でその権利を利用することができます。
(リストは完全ではないのでお住まいの地域の最新情報をお調べすることを進めます。またサービス廃止している場合もあるので利用される場合は改めて事前確認をお願いします。)
教育機関 |
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図書館(東京都以外) |
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東京都の図書館 |
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これは、ぜひとも利用すべきです。
お住まいの地域でこのサービスを提供しているかどうか改めて調べてみることをおすすめします。
そして提供していなかったらリクエストすることをお勧めします。
ということで、
購入したクラシックコンサートの演目への理解を深めるべく、その演目の正式な曲名を調べ、曲目の情報を入手し、そして(あわよくば本人の)演奏を全曲、せめてイントロ(冒頭)だけでも事前に視聴(試聴)し、て本番に臨むための、一番簡単で最適な手段を調べてみました。
お役に立てれば幸いです。
というか、自分が利用するために本サイト右上の検索フォームを作りました。
※私の現状はPrime Musicしか定額サービスを利用していません、図書館も圏外です。
参考
NAXOSでクラシックの楽曲を無料で聴くその1
実はナクソスではその登録されている楽曲の全てを30秒間試聴することができます。
会員の方はもちろん全ての楽曲を視聴できるのですが、会員でなくとも15分間に限り冒頭の30秒程試聴できるという大変太っ腹な仕様なのです。
以前はゲストアカウントでのログインが必要で、手間がかかったのですが現在はその必要もありません。
これだけでも素晴らしいことなのですが、さらにイベントやキャンペーンなどで、特定の楽曲が無料で視聴できる時があります。
本来ならこれが「NAXOSをクラシックの楽曲を無料で聴くその2」なところですが今回は楽曲を指定して聴くのが趣旨なのでこれはカウントしません。
その2は、全ての曲を無料で視聴することができる、恵まれた方がいるというお話です。
NAXOSをクラシックの楽曲を無料で聴くその2
実にナクソスでは、個人宛ではなく、企業や組織向けにライセンス発売も行っています。
それも通常であれば契約している組織内、例えば大学や企業の敷地内、というか限られた場所からの接続許可だったりするところが、なんと自宅でも接続できるようなライセンス形態なのです。
その資格補修者は自宅や通勤途中など自由な場所でナクソスを楽しむことができたりするのです(契約形態によります)。
そしてその恩恵は一般市民にも享受される場合があります。
なんとその契約している組織に、図書館が含まれているからです。
特定の図書館、あるいは特定の地域の図書館では、自宅で視聴できるアカウントを、図書館の本の貸し出しと同じような位置付けで貸し出しをしているのです。
これは図書館にとっても、図書館の利用者にとっても画期的なことです。
なぜなら、図書館の音楽ライブラリーはとっても貧相なのが常だからです。
これなら特定の曲を聞き比べることなど朝飯前です。
残念なことに、これは全ての図書館で実施されているサービスではありません。
現状では、一部の幸運な方々だけの特権なのです。
この不条理を打破すべく、権利保有者はどんどんサービスを利用して、現在このサービスを利用していない組織に対してアピールしましょう!
そして契約者増大した暁には月額利用料を半額にしてもらいましょう。
ナクソスが珍しい希少な曲もヒットするわけ
その理由はアーティスト「西崎崇子」の存在が欠かせません。
彼女の演奏による楽曲の豊富さがその理由です
西崎崇子
来歴
名古屋生まれ。父西崎信二の手ほどきで4歳からヴァイオリンを始め、9歳の時、スズキ・メソードの第1期生となる。桐朋学園高校に入学した後、1961年、ジュリアード音楽院に進学し、ジョゼフ・フィクスに師事した。1969年、ヴィオラの今井信子とモーツァルトの協奏交響曲を演奏してジュリアード・コンチェルト・コンクールで第1位を獲得した。ナクソスから数多くの録音をリリースしている。1996年からフリッツ・クライスラー国際コンクールの審査員を務め、2001年、オーストリア政府からオーストリア共和国功績勲章金章を授与された。
以上
クラシックコンサートの演目を事前に試聴する方法
でした。
タイトルを正しく言い直すと
「クラシックコンサートの演目を事前に予習する」
ために
「クラシックコンサートの演目を事前に視聴する」
のは良いアイデアであるが、
同じ演者の演目があるかどうかは、あまり重要視せずに、
また、CDとライブでは別物という考え方もあるので
「クラシックコンサートの演目を事前に試聴する」
のが正しいということで
タイトルは略して
「クラシックコンサートの演目を事前に試聴する方法」
でした。