良い楽器の条件と良い楽器の音色
リスナー目線からの良い楽器の見極め方を一言でお伝えします。
高額だったりメーカー間で特色のあるピアノとバイオリンを見極めるのに一役買えれば幸いです。
目線の違い
「良い楽器の条件とは」と言われれば、それはそれを判断する人の状況、判断基準により多岐にわたると思われるのですが、その中で「良い楽器の音色の条件とは」に限るともう少しそのパターンは限られてきます。
この中で「良い楽器の条件とは」の判断者を、視聴者に限るとさらにそのパターンは限られてきます。
そこで今回は、演奏者でも、販売者でもなく、しがらみも思惑もない、一般のリスナーとしての「良い音とは」に注目し、そこから「良い音のする楽器とは」を判断するための一つの指針を提供して見たいと思います。
※例によって、最初に要点のみを記載して、後ほど詳細を付け加えた形に修正するかもしれませんことをご了承ください。そして前置きの割りに結果が一行しかないことには目をつぶってください。
判断者の特性
「良い楽器」を判断する時の要素を羅列して見ます
- 演奏者から見た良い楽器
- 楽器製作者から見た良い楽器
- 楽器販売者から見た良い楽器
- 楽器購入者から見た良い楽器
- 楽器推薦者から見た良い楽器
- 評論家から見た良い楽器
- リスナーから見た良い楽器
それぞれの判断者からの要素を羅列して見ます(順番に意味はありません)。
演奏者から見た良い楽器
- 良い音がする
- 思った音が出せる
- 見栄えが良い
- 楽器の特性が分かりやすい
- 所有していることで優越感を持てる
- 話題性がある
- その楽器を所有していることで演奏依頼がくる
楽器製作者から見た良い楽器
- 高額で売れる
- 製作者の思った通りの音が出ている
- 依頼者の思った通りの音が出ている
- 話題性がある
- 素材が安定している
- 素材にオリジナル性がある
楽器販売者から見た良い楽器
- 見栄えが良い
- 儲かる
- 実績がある
- 信頼性がある
- 信用される
- ネタがある
- 継続性がある
- 稀少性がある
- 裏付けがある
- 話題性がある
楽器購入者から見た良い楽器
- 割安である
- 稀少性がある
- 話題性がある
- 裏付けがある
- 良い音がする
- 喜ばれる
- メンテナンス性が良い
楽器推薦者から見た良い楽器
- 喜ばれる
- 裏切られない
- 裏付けがある
評論家から見た良い楽器
- 演奏者の違いがわかりやすい
- 奏法の違いがわかりやすい
- 既出の楽器の評価が良い
- ネタが多い
リスナーから見た良い楽器
- 良い音がする
- 良い音だと思える裏付けがある
- 話題性がある
- 見栄えが良い
他にも条件や要素などがあることでしょうが、とりあえず思いついたものを書き出してみたということで・・・
そしてそれぞれの要素についての詳細な説明が必要な気もします。例えば演奏者にとっての良い音などは記載していたらきりがないことでしょう。なのでここでは一旦省略します。
リスナーから見た良い音
リスナーが安易に「よい音だ」といった場合は次の要素のうちのどれかだとします。
- 良い演奏
- 良い楽曲
- 良い雰囲気
- 良い関連情報
- 良い音色
- 良い音
今回は演奏者も楽器も楽曲もその他の演奏にまつわる関連情報をさておき、単純に良い音だと判断するための要素を改めてあげてみますと、
- 良い音がする
- バランスが良い
- 気持ち良い
- うるさい(邪魔)音がしない
- 曲調に合っている
- 感情に訴えている
- その他・・・・
やはりきりがありませんが、ここで視点を変えて、今回の投稿の目的である、
「この音は良い楽器から発せられていますか?」に応えるための判断基準
を一行で書いて終わりにします。
判断する対象はピアノとバイオリン
良い楽器から発せられているだろう良い音の判断方法
どこで聞いても同じ音のする音は良い音だ
理由は、「よい音だ」ということを求められている時が、バイオリンやピアノなどの高額だったり、ピアノメーカーにより明らかに音が違うのだがどちらがよい楽器かと問われても返答に困ってしまうような場面が多いと思われるからです。
そしてそのような時には高額なバイオリンやピアノの条件として、換金率というものが浮上してき、この換金率に必要だったのが、広いホールで演奏できること、そして通りのよい音とか、あるいは録音した音声がよい音っぽいことなどが求められることが多いと思われるからです。
そこで重要なのが位相になります。
音飛びがよいとか、実際によい音だとかバランスが良いとかの評価を安定して得られる楽器は必ずこの位相的な処理が高次元で成功したいる楽器(や録音)と言えるからです。
そしてそのめでたく位相的に高得点な楽器(や録音)は聞く場所を選びません。
例えばステレオで発音しているとして、定位的な定位置での最高の音?が、どのリスニングポイントでも同じように聞こえるということです。部屋の隅でもキッチンでも、はたまた隣室でもその曲なり演奏のイメージと鮮度が崩れることがないような演奏や録音があります。 それが良い楽器なり、良い録音なりで作成された音源となります。そしてその場合たとえその功績が録音技術だったとしても「良い音のする楽器」として認めても良いと言えるでしょう。
これは家庭用の、そして安価なシステムで聞いてもその傾向は保持されています。もちろん高価なシステムで聞くとその差は歴然としてきます。
そう思ってもう一度FAZIOLIのピアノの音を聞いてみると「なるほどな」と思えてきます。
他のブランドがすべて残念ね状態かというと、もちろんそんなことはないのですが、見渡してみるとレーベル依存のような傾向がみられます。これは完全に知識と経験を含めた録音技術の賜物となってしまうので、ひとえに良い楽器と言い切ってしまうのには抵抗が出てきます。これはブランドが悪いのではなく、エンジニアなどのスタッフや録音状況などの様々な情報を載せないから結局統一した見解が出てこないのだと思います。というよりも楽器ではなく演奏者の演奏を売りたいので致し方がない事なのでしょう。そういった意味でも目配りできる程度の小規模なユニットというのは有利に動くことができます。
そしてもしも購入者の立場でこの理屈を当てはめると、試奏してもらってそれを様々なところから録音してその違いを比べてみると良いでしょう。 高価な機材の必要はなく、スマホとかでポケットに入れたままその辺を歩き回ることでも十分です。そしてそれを視聴し少しで異変に気がついたらそれは、そういう意味では良い楽器ではないと言えるかもしれません。
ステレオなどの録音物から聴く場合はそもそもオーディオシステムの影響を受けてしまうのですが、それでも素性の良い音とそうでない音ははっきり特別できるとおもいます。
楽器に罪はない
最後に付け加えておくと、良い楽器と呼ばれるということ自体は、楽器が良いのではなく、誰かがその楽器を気に入ったということでしかないということです。
もしも楽器に意思があったとして「おれはこの音が大好きだ」と言っても受け入れられなければ意味がありません。このことはアーティストと単なる演奏者の間で顕著です。主張したいのかそつなくこなしたいかで楽器に求める特性はは天と地の違いです。幅広いジャンルを演奏させられることになるクラシックの楽器は、楽器の持つ特性のピークではなく平均化された安定性のほうがよっぽど受け入れられているのが現状と言えるでしょう。
結局のところ、言うことを聴くのが良い楽器ということになってしまうので、たとえると犬と猫のようなものだったりするのですが、この場合どちらが良いかと言えば、どちらもよくて、どちらでも好きなほうを選べばよいことになりまして、結局良い楽器はあっても悪い楽器はないということになりました。
それでも、場所を選ばずに良い演奏を奏でる楽器(とスピーカー?)に出会えると幸せな気分になれます。
以上
良い楽器の条件と良い楽器の音色
でした。