ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル
Cory Smythe (pf)
日時:2013年5月14(火)19:00〜
場所:東京オペラシティ コンサートホール
日曜日に続いて、Hilary Hahnのリサイタルに行ってきました。
1週間で2度も彼女の演奏が聴けるなんて、幸せすぎ♪
今回はステージ向かって右側の2階席だったのですが、
意外とステージに近く、演奏中の顔の表情がよく見えました。
前回と違う角度からボウイングも見られて、よかったです。
プログラムは前回とまったく同じでしたが、
ホールや席の違いによるところも多いにあるとは思いますが、
演奏の印象はだいぶ違いました。
特にモーツァルトのヴァイオリン・ソナタは、
軽快で、ピアノとのタイミングがよりピッタリ合っている感じがしました。
シャコンヌは、一音一音に魂が込められているような
深く深く心に響く音なのは変わりありませんでしたが、
前回よりもはっきり緩急を付けていたように思いました。
どちらも素晴らしい演奏であることは間違いなく、
聞き終わった後は、放心状態のようになってしまいました。
あんなふうに弾けたら、どんなにいいか。。。
演奏終了後のサイン会では、ヴァイオリン・ケースにサインをしていただきました。
大切な大切な宝物です。
☆弓を使う楽器の「鼻息」を全く感じさせない、というか出てくる音が弦楽器の枠を超えているヒラリー・ハーン。
聞けば聞くほどこの場にいられた幸運を感じます。
二階のステージ横の席についてですが、楽器の生音はより多く届きます。
ステージの間接音は前方の観客席に飛んで行ってしまうので直接音がより目立ちます。
前方で席の良くない位置での、バランスの崩れた残響がらみの音よりははるかにクリアです。
さらにさらに、観客の雑音が届きません。
ステージの音は観客席に届きますが、観客席の音はステージに届かないからです。
現代曲はよくわからないので、感慨深くはありませんでしたが、ピアニストとの相性は良かったのではないでしょうか。
あまり左手でガンガンやらないのは、そもそも現代曲がそういうものなのでしょうかね、わからない。
モーツァルトとかやるとよさそうでした。
シャコンヌは、やはり圧巻です。
今回残響が少ない分さらに突き刺さりました。残響いりません。脳が勝手に旅立つ感じです。
会場の静けさも際立っていました。
ところが、彼女は静まり返った会場に、それ以上の静寂を作り出しました。
彼女の緻密な演奏が周囲の雑音を消し去ってしまったのです。
高級な音響機器のようにノイズが含まれない音を、雑音楽器であるバイオリンから紡ぎだすとは恐るべし、だと思います。
サイン会の会場にバイオリンケースも持ち込んできていました。
数億円のバイオリンはもちろんのこと、ハードスケジュールな彼女は、そこにすべての貴重品がまとめられているのでしょう。
後日彼女のDVDを観たら日本人に対しては、両手でお返しし、微笑むのがマナーだと学んでいました。
ステージ上での日本語もそうですが、実際にそれを実行し、彼女も楽しんでいるのでしょう。
プログラム:
Anton Garcia Abril: “First Sigh” from “Three Sighs”*
David Lang: “Light Moving”*
W.A.Mozart: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K302
大島ミチル: “Memories”*
J.S.Bach: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調より「シャコンヌ」
Richard Barrett: “Shade”*
Elliott Sharp: “Storm of the Eye”
G. Faure: ヴァイオリン・ソナタ 第1番 イ長調
Varentin Silvestrov: “Two Pieces for Violin and Piano”*
*「27の小品:ヒラリー・ハーン・アンコール」プロジェクトより
アンコール
James Newton Howard: 133…At Least
David Del Tredici: Farewell