ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル
Julia Fischer
公演タイトル |
ユリア・フィッシャー ヴァイオリン・リサイタル |
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公演日時 | 2016年10月15日(土)開演14:00 |
会場 | 東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル |
出演 |
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演目 |
アンコール: |
天才美少女として幼い頃から活躍し続けているユリア・フィッシャー。年を重ねてどのような演奏をするのか、ワクワクしながら聞きに行きました。今回は、1か月以上前からドヴォルザークとシューベルトのソナチネ(第1番)をレッスンで習い、前日にブラームスのヴァイオリン・ソナタのコンプリート・スコアも見たので、予習は完璧。当日は、演奏者の希望ということで、シューベルトのソナチネ第3番が追加になっていたのは、うれしいプレゼントでした。
ユリア・フィッシャーの演奏はとても素晴らしかったです。バッハの無伴奏のCDを聞いた時、間の取り方など、あまり私の好きな感じではなかったのですが、今回のプログラムの曲は、リズム感がとても気持ち良かったです。弾き方は、私がレッスンで習ったのとは違うところがたくさんあり(当然ですが)、大きいホールでフォルテシモやピアニッシモをより効果的に聞かせるためのボウイングになっていたり、通常は移弦するところを同じ弦で弾いて強く深い音にしていたりして、勉強になりました。
公演後、サイン会が開かれ、サインをいただきました。
★旦那枠
黒いドレスで現れた彼女はさながらタランチュラ!(後姿が蜘蛛模様)
ひとたび彼女に噛まれると彼女以外の演奏は聞けなくなるというタランティズムに陥りそうになります。
実際に彼女の演奏を聴くとたとえ往年の巨匠であろうが粗が目立ってしまうからです。
彼女の演奏は、解釈はともかく演奏技術としての一つの頂点にいるのではないでしょうか?
彼女より技術面で良い点数を得るのはもはや困難なのではないかという気がするからです。
一気に他のアーティストのライブに行く気は失せてしまいました。
猛毒の持ち主のような気がします。
しかし、実際にはタランチュラは大した毒を持っているわけではなく、日がたつとかまれたことさえ忘れてしまうのではないでしょうか
(コンテストではなく)コンサート(リサイタル)に足を運ぶのは、点数や努力を見に行くのではなく、音楽を楽しむためだからです。
青いドレスの女王ムターと黒いドレスの女王ユリア、惹きつけられるのは青い方。
とりあえず若いアーチストは彼女を目標にし、さくっと超えてほしいものです。
そのうえで、芸術を表現してくれればと思います。
そんな意味でアリス沙良オットーと河村尚子(10月30日)に期待!
ヒラリー・ハーンが評価されるのは100年後のような気がしてきました。
マキシム・ヴェンゲーロフ(12月5日)はきっと面白いと思うのですが、達観しすぎて真面目に弾いてないような・・・(ゆるきゃら見ているような気分になってしまうので)
ユリアはCDアルバムの録音に恵まれ、ヒラリーは不遇な。
と、いうぐらいの良いコンサート(リサイタル)でした。
完璧ですね。
マルティン・ヘルムヒェンも、いい仕事していました。
やはり、伴奏は男性に限る?
☆奮発してS席を先行販売で購入したのですが、やはりオペラシティは、私たち(室内楽に限る)には大したホールではありません。
どこでもそこそこですが、まともに聞けるポイントがかなり限られてしまうホールだと思います。
今回も正しいバランス?に比べ、バイオリンの音量が少なめに届いていました。
そしてオペラの歌唱と違い、バイオリンは間がなく弾き続ける楽器なので残響ぐあいを確認する余裕はありません。というより高い天井は吸い込まれてしまう感があり本人が頑張ってしまう割に報われない、というか無駄に力が入りやすいのではないかという気がします。今回の彼女のエネルギッシュな演奏を正しく評価してよいのかが不明です。 単純な天井の低い靴箱ホールのほうが良い演奏&正しい評価になりそうです。
そして、ステージの裏側の席数があまりにも少ない(&他分安い席)ので、終演後挨拶とかで目もくれないアーチストが発生しやすく、人格の評価を下げてしまうのではないか?というのもマイナスポイントです。例えば一周ぐるりと挨拶する人もいれば、正面席にしか挨拶しない人もいるわけです。
そして残念ながら本公演では彼女のピアノ演奏はありませんでした。