公演タイトル | ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル |
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公演日時 | 2016年6月12日(日) 開演時間14:00 |
会場 | 横浜みなとみらいホール |
出演 |
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演目 |
******アンコール******
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チラシ表 ⇒2016/6/12 横浜みなとみらいホール ヒラリー・ハーンバイオリンリサイタル
チラシ裏 ⇒ヒラリー・ハーンバイオリンリサイタル 2016/6/12 横浜みなとみらいホール
半年以上前から待ち焦がれていたヒラリー・ハーンのリサイタルは、モーツァルトで幕を開けました。ピアノが主のようなヴァイオリン・ソナタでです。 甘くてロマンチックなピアノに、甘すぎない優美なヴァイオリン。いいバランスでした。ピアノの独奏部分では、ヒラリー・ハーンが彼の演奏を楽しんで聞いている感じが伝わってきました。
そして、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番。アダージョの、途切れることなく続く付点が安定したリズムを刻みながらそれぞれの声部を弾き分ける様は、見事としか言えません。10代でリリースしたCDと比べると、若干スピードは早めですが、必要以上に情感たっぷりに歌い上げないことで、抑えた情熱が感じられました。フーガも、重音(弾く弦)の関係で、一部のフレーズを切るように弾く演奏家が多い中で、メロディラインを損なわずに滑らかに弾いていて、感嘆しました。また、音程が非常に正確なので、5度が続くところでは響きが増幅して、ホール全体がふわっと包まれるような感覚を味わいました。ラルゴの美しさ、アレグロ:アッサイの軽快さも、素晴らしかったです。フーガが終わった後、拍手が入ってしまったのが、残念でなりませんでした。
休憩を挟み、後半は現代音楽です。現代音楽は好きではないので、前半に比べるとテンションが下がります。でも、ティナ・デヴィッドソンの『地上の青い曲線』は、ヴァイオリンのピチカート(ピアノは特殊な奏法)で始まるのですが、この大ホールでもしっかり音が聞こえたのには、驚きました。
アンコールは、『27の小品』から3曲を弾いてくれました。現代音楽独特の不協和音が少ない曲ばかりで、楽しめました。
終演後、サイン会が開かれました。当然、サインをいただきました。『27の小品』の楽譜は、今秋に出版される予定だそうです。
★旦那レビュー枠
ヒラリー・ハーンのコンサートは特別です。
音楽を聴きに行くというのであれば最初の1音だけでもう十分!
テクニックやら音楽性やら出来栄えなど気にする必要もありません。
彼女の演奏は例えれば、我が家を離れ、旅行したり、仕事したり、学習したり、いろいろ生きてきた彼女が我が家に戻り、何があったかを私たちに報告してくれるようなもの。
そこではうまくいったことも、失敗したことも、楽しかったことも、すべてが誠実に語られ、それが彼女そのものであることが実感できることで完結します。
彼女の誠実が、私たちにも等しく語られる、これはお金では買えない。
『シルフラ』を聴きに行った時にはどうなることやら心配だったのですが、回(年)を重ねるごとに順調に巨匠の道を歩まれているようでほっとしています。何より昨年のアルバムでの楽しそうな演奏が今回のリサイタルでも垣間見れました。ハードなツアーを楽しんでいるのでしたら何よりです。
比較は辛口で行きます→ 録音アルバムとの比較
※一階席よりも二階席のほうが音が良い時があるといわれますが、今回もそのような気がしました。そしてそもそもホールの出来も、2013年の時にも座席の位置は異なりますが同じような印象を受けました。みなとみらいでの演奏より翌々日のオペラシティのほうがよい演奏をしたように感じたのです。これはハーン、スマイス氏のお二人に大変失礼なことだったと後悔しています。
これではみなとみらいでの一階席の観客は高いチケットを支払って2階席の観客のために吸音材として奉仕しているようなものです。
追記:
ヒラリー・ハーン自らの手による『27の小品』の楽譜出版は、本人の談によると今秋のはずだったが?
出版すること自体は彼女自身のグラミー賞受賞のインタビューで公言しております(2015年) 受賞メッセージ
2016年11月15日時点でそのような情報は流れておりません・・・・
彼女が公約する「最高のクオリティ」ってすごそうです。
楽譜だけでなくてステージノートも添付されているとうれしい。
このくらい真っ黒けなら面白い
もしかしたら↓は書きかけの草稿かもしれません!
と思いきや、アントン・ガルシア・アブリルの無伴奏の譜面らしく、そして最後の和音は5つ同時に鳴しているみたいです。
作曲者の楽譜として出版していると思われる物を見つけたので紹介しておきます。
(当方、未購入なので詳細は不明です。)
Summer Thoughts: Violin & Piano 新品価格 |
「Einojuhani Rautavaara (1928) – Whispering」が収録されているとのことです。
出版元の紹介記事⇒ ラウタヴァーラ:ささやき
ラウタヴァーラさんの楽譜(曲)はこんな感じ↓
Saddened by the passing of Einojuhani Rautavaara, a warm-hearted, generous and magical person. Have a listen today: https://t.co/fcIkOHN8DF
— Colin Currie (@colincurrieperc) 2016年7月28日
関連情報 from net
3曲目の『アントン・ガルシア・アブリル:6つのパルティータより』の楽曲の所在を探しました。?
ヒラリー・ハーンおっかけ日記|フィーゴの音楽日記
ヒラリー・ハーンおっかけ日記(2016年No.5, アントン・ガルシア=アブ
Hilary Hahn to premiere three of the “Six Partitas” by composer Antón García Abril in Washington.
There’s no violinist quite like Hilary Hahn. Among her peers, both violinists and otherwise, she is widely known as one of the most intense, focused artists of her generation.
But she is also one of the most adventurous, as proven by her multi-year, grammy-winning commissioning project “In 27 Pieces: the Hilary Hahn Encores”. Over the course of two seasons, she will premiere a set of new works, named “Six Partitas”, by Spanish composer Antón García Abril, inspired by his participation in the encores project and commissioned by Hilary Hahn and the Washington Performing Arts; three of the “Six Partitas” will be premiered in Washington on April 19 of 2016 at the Music Center of Strathmore, the other three will be premiered by Hilary Hahn on 2017.
Says Hahn, “In Bach’s and Ysaÿe’s writing, there is legendary and established precedent for a st of six works for solo violin, [yet it] has not been picked up by contemporary composers to the extent that would benefit the solo violin repertoire. I strongly encouraged Antón to write a set of six works for solo violin, to add his unique voice to this rich but still growing tradition.”
Hilary Hahn’s appearances this season and three commissioned works by Antón García Abril are made possible through the generous support of Dr. Gary Mather and Ms. Christina Co Mather. This project is supported in part by an award from the National Endowment for the Arts.
Source: washingtonperformingarts.org
大胆にも機械翻訳しちゃいます!!
どこにも、ヒラリー・ハーンに勝るバイオリン奏者はいません。
彼女の仲間、どちらもバイオリン奏者の間で、そしてさもなければ、彼女は彼女の世代の最も強烈で、焦点が合ったアーティストの1人として広く知られています。
しかし、彼女の多年度、grammy獲得委任プロジェクト「27個の断片の中:」によって証明されるように、彼女はまた最も大胆なもののひとりです。
「ヒラリーハーンアンコール」。
2シーズンのコースの上で、彼女は、アンコールプロジェクトへの彼の参加によって引き起こされて、ヒラリー・ハーンとワシントン・パフォーミング・アーツによって委任されて、スペイン作曲者アントン・ガルシア・アブリルによって「6つのパルティータ」と名付けられた新しい作品のセットを初演するでしょう;
「6つのパルティータ」の3つはストラスモアのミュージックセンターで2016年の4月19日にワシントンで初演されるであろうし、他の3は2017年にヒラリー・ハーンによって初演されるでしょう。
ハーンは、「バッハとイザイのライティングにおいて、ソロバイオリンのための6つの作品のstのための伝説上で、設立された先例がある[けれども、それは、]ソロバイオリンレパートリーに役立つであろう範囲まで現代作曲家によって拾われませんでした」と言います。
「私は強く、ソロバイオリンが彼のユニークな声をこの豊かであるけれどもまだ増加する伝統に追加するように6つの作品のセットを書くようにアントンに勧めていました」。
これが乾燥するヒラリー・ハーンの外観とアントン・ガルシア・アブリルによる3つの委任された作品はゲーリー・マザー博士とクリスティナさん社マザーの寛大なサポートを通して可能にされます。
このプロジェクトは国家芸術基金から賞によっていくぶんサポートされています。
またここでも関連のことを述べられているようです。
The Well-Tempered Ear ->Classical music: Mixing old and new music. Violinist Hilary Hahn talks about the works she commissioned and will play alongside classics when she performs Sunday night at the Wisconsin Union Theater
ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル
ゆるぎない意志に満ちた音楽ー 進化するヒラリーの「今」を聴く完璧な演奏技術とゆるぎない意志を持ち、美しい音楽を紡ぎ出すヒラリー・ハーン。繊細ながらも力強い音色を駆使して一音一音を完璧に弾きこなす姿は、音楽に真正面から向き合う彼女の意志の強さそのもの。また、作品の奥にあるものを紐解くために、音楽以外にも語学や民族、歴史等についても熱心に学び、音楽をあらゆる面から追求することを惜しまない。こうした音楽そして作品の本質を突き詰めて表現するヒラリーの”今”を聴き、お楽しみいただきたい。
今回のプログラムは、バロックに古典、そして現代まで時代を一気に駆け抜けるヒラリーらしい選曲となる。
前半はモーツァルトのヴァイオリン・ソナタとJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ。モーツァルトは、率直な感情にあふれ、デュオでの演奏が究極まで追求されるピアノとの対話が美しい曲。J.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは、ヒラリーが華々しいデビューを飾ったアルバムに収録されており、無伴奏ならではの音楽がストレートに心に響く。
後半は、スペインを代表する現代作曲家の巨匠A.G.アブリル(1933-)と20世紀アメリカを代表するA.コープランド(1900-1990)。常に新しい作曲家、祖国の作曲家の作品を意欲的に取り組む何ともヒラリーらしい選曲。そして、第57回グラミー賞を受賞したアルバム『27の小品 ヒラリー・ハーン・アンコール』からの曲も披露される。
横浜みなとみらいホールでは2009年、2013年に続くリサイタルでの登場。進化し続けるヒラリーの”今”をじっくりご堪能いただきたい。
日程2016年6月12日(日)
横浜みなとみらいホール 開場時間13:20開演時間14:00
出演者:ヒラリー・ハーン (ヴァイオリン) Hilary Hahn (Violin)
コリー・スマイス (ピアノ)Cory Smythe (Piano)
プログラムモーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第27番 ト長調 K.379
W.A. MOZART:Violin Sonata No. 27 in G Major, K. 379J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
J.S. BACH:Violin Sonata No. 3 in C Major, BWV 1005アントン・ガルシア・アブリル:6つのパルティータより
ANTÓN GARCÍA ABRIL:One from the Six partitas for solo violinアーロン・コープランド:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
AARON COPLAND:Sonata for Violin and Pianoティナ ・デヴィッドソン: 地上の青い曲線(27のアンコールピースより)
TINA DAVIDSON:Blue Curve of the Earth料金【全席指定】 S席 8,000円 A席 6,500円 B席 5,000円チラシ表面ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル [PDF形式:2.7 MB]チラシ裏面ヒラリー・ハーン ヴァイオリン・リサイタル [PDF形式:695.0 KB]
注意事項と略号
ヒラリー・ハーン (c)Schaefer Goerne
コリー・スマイス
ジャパン・アーツの記事です。
各地で大絶賛 リサイタル・ツアー(2016年6月)
ヒラリーに聞く インタビュー[2](2016年5月)
ヒラリーに聞く インタビュー[1](2016年5月)
■ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン) – Hilary Hahn – Violin
3度のグラミー賞受賞ヴァイオリニストであるヒラリー・ハーンは、デビュー以来20年以上に渡り、その妙技、おおらかな解釈、創造的なレパートリーを世界中の多くの聴衆に届けている。2015/16シーズンには、カメラータ・ザルツブルクとの共演でモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番を、また、フィラデルフィア管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団との共演でヴュータンのヴァイオリン協奏曲第4番を演奏する予定である。この二つの協奏曲は、ハーンの最新アルバム、「ヒラリー・ハーン/モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番&ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番」に収録されている。その他の注目すべき活動としては、ボルティモア交響楽団の創立100周年記念シーズンに際しての(同交響楽団との共演による)ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲、ウィーン交響楽団とのヨーロッパ・ツアー、カーネギー・ホールでのミネソタ管弦楽団との共演によるシベリウスのヴァイオリン協奏曲、アメリカ、ヨーロッパ、日本各地へのリサイタル・ツアーなどが予定されている。また、ハーンは、ウィーン・コンツェルトハウスのアーティスト・イン・レジデンスも務めている。
ハーンは、クラシック以外の音楽家たちとのコラボレーションもしばしば行っている。また、これまでに、16枚のアルバム、3枚のDVDをリリースしており、アカデミー賞にノミネートされた映画のサウンドトラックや、賞を受賞した子供のための録音などもある。ハーンは執筆活動にも力を入れており、自身のウェブサイト(hilaryhahn.com)に定期的に日記や記事を掲載している。これに加え、自身のユーチューブ・チャンネル(youtube.com./hilaryhahnvideos)では映像をプロデュースし、世界各国のゲストをインタビューしている。その他、彼女のヴァイオリンケースが旅の仲間としてコメントするツイッターとインスタグラムのアカウント(@violincase)がある。彼女の、常に進化を続ける音楽活動へのアプローチと、森羅万象への好奇心によって、ハーンは多くのファンに愛されている。hilaryhahn.com/
■コリー・スマイス(ピアノ) – Cory Smythe – Piano
独創性豊かな即興演奏者、室内楽者、コンテンポラリー・クラシック音楽の奏者として、幅広い活動を展開。これまでソリスト及び室内楽奏者としてラヴィニア音楽祭、リンカーン・センターのモーストリー・モーツァルト音楽祭などに出演。ヴァイオリニストのヒラリー・ハーンの伴奏者としては、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各地でコンサートに出演している。ケネディー・センターでのハーンとのデュオ演奏について、ワシントン・ポスト紙のレビューは、「激しさと繊細さを併せ持つ彼のテクニック」という表現でスマイスを称賛した。ヴァイオリンとピアノのための新しい委嘱作品を多数収録したハーンとスマイスの共演アルバム、「27の小品:ヒラリー・ハーン・アンコール」は、2015年のグラミー賞(最優秀クラシック室内楽部門)を受賞。インターナショナル・コンテンポラリー・アンサンブルの中心メンバーとして、多くの作品を初演し、数多くの作曲家と密接に活動。また録音も数多く、ジャズ・ピアニストのジェイソン・モランはデビュー・アルバム『プルーリポテント』について「これまで聴いた中で最高のソロ・レコーディングのひとつ」と称賛している。インディアナ大学、南カリフォルニア大学で学び、クラシック・ピアノ演奏で音楽の学位を取得。現在、ニューヨーク市在住。