公演タイトル | サラ・チャン ヴァイオリン リサイタル ~ヴァイオリンの女王、9年ぶりのリサイタル~ |
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公演日時 | 2017年10月25日(水曜日)開演19時 |
会場 | 紀尾井ホール |
出演 | サラ・チャン(Sarah Chang)(Vn),フリオ・エリザルデ(Julio Elizalde)(Pf) |
演目 | バルトーク:ルーマニア民族舞曲,ブラームス:ヴァイオリンソナタ第3番ニ短調作品108, フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調===アンコール=====
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観に行く予定はなかったのですが「チケキャン(Ticket Camp)」で割安にゲットしたので旦那一人で急遽雨の中観に行きました。
CDとかを一枚も所有していないので予習はナクソスで。
アマゾンプライムミュージックには1枚もなかったのですがNAXOSには何十枚もありました。
文句の付けどころなどなく上手いんだけど、
例えば、「演歌歌手のすべての方々を好きではない」みたいな感じです。
チョンキョンファと同じ系列のように感じました。音色が微妙にしつこいというか後を引くような感じがしました。
日本の方々と一緒で明るくないというか湿気感が・・・
おすすめはこれ↓
公演情報とインタビューはここで得ました ぴあ
以上、観る前の感想というか印象でした。
以下、観た後のレビュー。。
事前の印象とは違い、暗いのではなく、楽曲への思い入れが過剰に感じられました。
あるいは逆にいい加減と取れるような奔放さというか。
いわゆるアメリカンぽくて以前の演奏(自分が事前に聴いた)とは180度違うようにも聞こえ、評価が分かれるのではないでしょうか
過剰というよりは表現の仕方がフルオケよりのパワフルさが身についてしまっているというか、ピアノとのデュオのリサイタルでは少し大げさに見えました。
肩ひじ張らずにリラックスできればよかったのにそもそも久しぶりの来日だし、リサイタルだし、で緊張気味のようでした。演奏中の決めポーズや、合間に左手をほぐすような、少しせわしない動きも緊張していたからなのかもしれません。
ピアノのフリオ・エリザルデさんは上半身の恰幅が良く、肩周りががっしりした方でした。演奏もしっかりとまとまっていて、自身の世界観をしっかり表現していたように思います。
肝心の演奏はというと、実は私の隣の男性は(多分)一部だけ観て帰ってしまったようです。
最初私も同じような気分でした。
通常であればほめ言葉であるはずのまるでCDを聞いているような演奏は、時につまらない。
とても、うまいんですけど、感動がないんです。
ライブで、当たり障りがなくて、偏屈度が少ないのはマイナス要因です。
十分すぎるほどの演奏なんですが、想定範囲内で驚きがないといったところ…
彼女特有の音色を醸し出してはいるのですが、微妙に音の終わりに神経が行き届いていないようにも聞こえました
と、一部は上から目線で観てしまったので、二部は普通に下から目線で楽しむことにしました。
で、下から目線で見ると結構、いろいろなことに気がつきました。
まず、この紀尾井ホール、世間の評価ほど、いい音(バランス)で聴けてはいないとおもいました。
例えば直接で耳で聞くといい感じなのに、録音するとそうでもないような…(これは改めてどこかで)。
そして、彼女は、彼女のテクニックは、当たり前に弾きこなすのを聞き流すのではなく、テクニックそのものを楽しむ大道芸人的に見るととても素晴らしい。
クラシックでなくポピュラー的に聞くと、観客も、そして彼女もとても楽しめるのではないか!
ということを、アンコールを聴きなが思いました。
クラシック曲の「くら~い背景」を表現するのには適していないような無邪気さが感じられました(まだまだ若いから?)。
今回は、一部は頑張っていたけど伝わらなくて、二部がまあまあで、アンコールでやっと自己表現できた感じ。
実力が評価され、いろいろの曲を弾く機会があるのはともかく、小曲を楽しく弾くほうがよっぽど彼女らしさが出ているように見えました。
よく批評家の方でアンコール聞かずに帰ってしまう方がおられますが、彼女は遅刻してもいいけど途中で帰ってしまうのはもったいないことでしょう。
実はサイン会には参加しないつもりでいましたが、アンコールを聞いてから気が変わりました。
サイン会での彼女はとても気さくで明るい方でいい人そうでした。ピアノの方も。
なんにしても、あとからうらやましがられる貴重なライブであったことに間違いはありません。
結論としては、彼女のようなレジェンドアーチストに対しては、まじめに楽曲を聴くよりは、そのパフォーマンスを楽しみに行くのが正解なのではないでしょうか?
(つまらない)クラシックの楽曲への解釈だの再現なんか時間の無駄というかもったいないように思いました。